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FAX NEWS

 

FAX NEWS No.52

                発行責任者:谷 大二 2008年7月19日(土)発行

J-CaRM 情報発信 11


 婚外子差別は違憲との最高裁判決(2008.0604)


 


 未婚のフィリピン人女性と日本人男性の間に生まれた子供で、出生後に認知された10人が日本国籍を求めた訴訟の上告審判決が最高裁大法廷であり、大法廷は、結婚を国籍取得の要件とする国籍法の規定を「法の下の平等を定めた憲法に反する」とする決定を下しました。

 国籍の有無は、人がある特定の国で生活する上で極めて重要な問題です。それが父母の婚姻だけを要因に分けられてしまう現実は、当事者にとっては厳しいものだと言わざるをえません。生まれてくる子供には何の責任もないのです。最高裁がそれを「差別である」とし、原告の訴えを認めたことは正当に評価すべきものでしょう。

 この判決を受けて、国も国籍法の改正作業に着手する方針を固めました。少子高齢化が進む日本社会においては、今後も外国人労働者を受け入れていく傾向は続くと思われます。国籍法が改正されないままでは、不幸な子供たちがさらに増えることになります。

 国籍法は、以前は父親が日本人の場合に原則として国籍を認める「父系血統主義」を採用していました。それが男女平等の意識の高まりから、1984年には子供の出生時、父親か母親のどちらかが日本人であれば国籍を取得できる「男女両血統主義」に変更されました。

 ただし、婚姻関係がないままで生まれた子供については、たとえ父親が日本人であっても、母親が外国人であれば、父親が出生時に認知していないと日本国籍は認められていませんでし た。出生後認知で国籍を認めると、日本で長期間生活したこともなく、日本との結び付きが弱い子供に国籍を与えることが懸念されたからです。

 最高裁はこの問題について、84年の法改正時には父母の結婚を日本との結び付きとみることに「相応の理由」があったとしましたが、その後の家庭生活や親子関係の変化を考慮し、結婚という要因だけを国籍取得の条件とすることは「今日の実態に適さない」という判断をくだしました。

 さらに判決は、「婚外子の国籍取得の要因から結婚を除けば、国籍法の規定を合憲的に解釈でき、差別を解消し、違憲状態を正せる」としています。法改正を待たずに、子供たちを救済する道を最高裁が開いたことは注目すべきことです。

 裁判官全員が審理する大法廷で現行法を違憲と判断したのは8件目です。そのうち3件が2000年以降の事例です。以前に比べて、積極的に憲法判断を示そうとする姿勢の表れのように思えますが、それが救済を求める人々の願いに適うものであればと思います。


※「国籍法」とは?

国民に日本国籍を与えるための基本条件を定めた法律。母親が日本人であれば、子どもは日本国籍を取得できる。
一方、日本人の父親と外国人の母親の場合、父子の結びつきが重視され、結婚している父母から生まれた嫡出子は日本国籍を取得できるが、父親が出生後に認知した非嫡出子(結婚)の場合は、両親が結婚しなければ日本国籍を取得できない。



 移住労働者と連帯するフォーラム・かながわ2008

「のりこえて、つながって、わかちあって 〜多民族多文化共生社会の明日のために」




 6月14日、15日の二日間にわたり、「第7回 移住労働者と連帯する全国フォーラム・かながわ2008」が川崎市教育文化会館で行なわれた。

 今回のフォーラムは、14日午後から15日午前に分科会を行ない、15日午後に全体集会を開く構成であった。分科会は15に分かれ、個別課題を掘り下げ、15日午前の総合分科会で外国人政策を統合的に考慮して、全体集会で社会全体にアピールする流れであり、参加者は約500人であった。

 事務局では二つの分科会に出席した。
 一つは「出入国管理・在留管理 どこまでも外国人管理―テロ対策からIC在留カードまで」で、テロ対策として実施されてきた出入国管理の強化策について、その経緯の概要と昨年11月より施行された日本版US-VISITの影響などの報告があった。また、在留管理の強化について、外国人登録証からIC在留カードへと移行される在留管理再編は、法務省の滞日外国人管理一元化をベースに中長期滞在外国人への管理を徹底すると共に、「適法な在留外国人の台帳制度」を創設し、行政サービスに活用しようとするものであるとの報告があった。

 もう一つは「移住女性のエンパワメント・『自立支援』とは?―DV・母子家庭・子ども」で、孤立しがちなDV被害の女性たち、母子家庭の自立支援をテーマに、現実を伝える移住女性たちによる寸劇と体験談から始まった。行政による支援の多くは経済的自立を目標としたもので、逆に女性と子供の生命や地域生活を支える基盤や諸制度はなくされようとしている。「自立支援」の意味をさまざまな視点から考え道筋を探るために、母子家庭支援NPO「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」と、自立サポートセンター「もやい」の発題者2人がそれぞれの具体的活動、方向付け、課題を提示し、参加者と活発な意見交換を行った。
  具体的には、1.滞在手続、生活保護や就職など法律上の問題、
        2.日本人の夫との関係
        3.いじめと暴力被害による心身の傷と痛み
        4.労働条件と経済的問題
        5.日本文化と日本語がわからないことの困難
        6.母子関係の問題
        7. 母と子両方の地域での居場所づくり
の必要などが話された。方向付けとして孤立化を防ぐため、家庭訪問の制度化、居場所づくりのプログラムなどを行政に要請してともに支援すること、同じように自立支援の必要な日本人の母子家庭や野宿者、ほかの人々とともにつながりあってエンパワメントすることの報告があった。

 総合分科会「領域を横断して外国人政策について論議」は、井口泰氏(関西学院大学)から「多文化共生のための制度的インフラ整備に向けて」、鳥井一平氏(移住労働者と連帯する全国ネットワーク)から「『受入れ』論議と労使対等原則」、最後に丹羽雅雄氏(弁護士)から「統合政策の導入と移住労働者の人権」について講演された。

 人口減少時代を迎えた2005年以降、外国人政策に関する議論が、政府内および経済団体において本格化している。具体的には、1.高度人材の受入れ促進、2.公式受入れを認めてこなかった「新たな外国人労働者」の受入れ、3.これまで受入れてきた日系人や研修生・技能実習生の再検討、4.統合の視点からの外国人政策、5.新たな在留管理制度の導入である。総合分科会では外国人労働者の選別的受入れと受入れ後の統合政策に焦点が当てられ、3つの視座(1.制度的インフラの整備、2.労働者の立場からみた労使関係、3.個人の立場からみた人権)からそれぞれ報告があり、報告者間の議論の後、参加者を交えて質疑応答と議論が続いた。

  全体集会では、指紋押捺拒否を闘った在日3世ピアニスト崔善愛(ちぇ・そんえ)さんの講演とピアノ演奏、続いて「ニューカマー外国籍市民の経験と想い・地域での支えあい」のシンポジウム、締めくくりに韓国にルーツを持つ日本生まれの若者たちによるラップのライブ・パフォーマンスが行なわれた。               (事務局)





新刊紹介『移住者と共に生きる教会』
   谷 大二司教 ほか・共著 
     
                    (女子パウロ会) 

 世界的な移住の現象のなか、日本にも外国からの移住者が急増している。移住者にとっても受け入れる側にとっても暮らしやすい社会はどうあったらよいのか?
 家庭・親子の問題、学校教育や労働問題などが抱える切実な現場の実情と、多文化共生に取り組むカトリック教会の対策と希望を、移住者からの生の声とともに簡潔に述べている。さまざまな国の人々といっしょに暮らす社会、日本人だけでは社会が成り立っていかなくなっている現在、国民一人ひとりが直面し生き方を見直すために助けとなる必読の書。
 是非お読みください。ご希望の方は送料実費でお送りいたしますので事務局までご連絡ください。

 本体価格1,100円+税(税込1,155円)   送料:2冊迄160円



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