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FAX NEWS  クリスマス特集号 瓦版第三号

                発行責任者:谷 大二 2008年12月5日(水)発行


ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れて
エジプトへ去った。        マタイ2:14


主イエス・キリストのご降誕 おめでとうございます!



クリスマスおめでとうございます。

難民移住移動者委員会
委員長 谷 大二

     

 クリスマスの夜、難民・移住・移動者たちはどのような思いですごしているのでしょうか?少し思いをはせてください。そのために少しヒントになることを書いてみます。

 難民は、「人種・宗教・国籍・政治的信条などが原因で、自国の政府から迫害を受ける恐れがあるために国外に逃れた者」です。2008年にはコンゴで戦争のために22万人もの人たちが避難民の生活を余儀なくされました。いつ、戦争が終わり自分の家に戻れるのか不安の中での避難生活を強いられています。日本にも多くの難民が来ています。難民認定や特別在留許可が受けられず、いつ、脱出してきた国に戻されるか不安のうちに夜をすごしている人たちも多いのです。

  移住者は、言葉や文化の違いに戸惑い、日本での法的地位の不安定さのゆえに苦労しています。 そればかりか、移住者の多くは派遣労働者(非正規雇用)です。いま、アメリカ発の金融危機に始まる経済不況の影響が私たちの生活にも及んでいます。そのなかで真っ先に仕事が減らされたり、首を切られたりするのは派遣労働者である移住者です。教会にきている移住信徒からは、雇用の不安や職を失った仲間を心配する声が聞かれます。

  移動者とは、船員、パイロット、サーカス団員、旅行者、路上生活者などを言います。最近、「ネットカフェ難民」という言葉がよく使われるようになりました。若い人たちの間でも住居が不安定で、小さなネットカフェなどの個室で夜を過ごさざるを得ない人たちが増えています。これも非正規雇用が拡大し、雇用が不安定になってきた結果でしょう。2008年にはビデオ店での火災事故が起こり、亡くなった人もいます。彼らはその被害者ともいえます。

 最初のクリスマスの夜、祝いにきた博士たちが帰った後、ヨセフはヘロデが幼子イエスを探し出し殺そうとしているのを知りました。子どもの誕生の喜びもつかの間、その夜のうちにヨセフはマリアと幼子イエスを連れて、あわただしくエジプトに脱出します。ヨセフとマリアはどんな思いで旅立ったのでしょうか。孤独と不安の中で夜を過ごしている難民、移動者、移住者たちにもヨセフとマリアの心境に共通するものがあるのではないでしょうか。

  私たちは主の降誕を祝い、主の食卓を囲みます。そのときに、ヨセフ、マリアの思い、そして難民、移住者、移動者たちの思いにもこころをはせてください。クリスマスのミサの中で、兄弟姉妹である彼ら彼女らのために祈ってください。一日も早く誰もが幸せな生活を取り戻せる平等で平和な社会になるよう祈ってください。

 

 



 我が使命と闘争

 

 「難民」は「敗者」なのでしょうか。今の私は「違う」とはっきり答えることができます。むしろある種の「勝者」なのだと考えるのです。なぜならば、殺戮が蔓延(はびこ)るその地から逃れ、困難を乗り越え、苦難を乗り越え、数々の障害を乗り越えてもなお、しっかりとこの地に堂々と生き延びている。その姿こそ、紛れも無い「勝者」の姿なのです。「生きたい」と訴えるその瞳に、勇壮な姿を重ねてみるのです。

 2007年中秋の午後、デザイナーとして軌道に乗り出した私は、東京青山のアトリエでいつもと変わらず作業を行っていました。
  部屋には生地を裁断する音とラジオから流れる微音量のニュースだけが広がり、いつも通りの静寂に包まれていました。ある瞬間、ニュースの音にハッとした私は、すぐさまラジオの音量を上げ、インターネットテレビをすぐに起動させました。その画面の向こう側には、私の出生地ミャンマー・ビルマの変乱が映し出されていました。

 民主化デモに賛同する、おそらく私と同世代であろう若い僧侶、またそれらを弾圧する同様の同世代であろう兵士の姿がそこにありました。その映像は私を緊張させ、ひとつの疑問を植え付けました。果たして彼らは宗教的な思想があって僧侶になっているのか。また、それらを弾圧している兵士も同様で、果たしてはっきりとした政治的な思想を持って弾圧を行っているのかと疑問に思えたのです。ひとつ考えられたのは、生活苦で僧侶になる選択をし、生活苦で軍隊に入り、兵士になる選択をしたのではないかということでした。とても寂しい思いを感じました。

 自分の実力で、自分の個性で認めてもらいたいという気持ちが強かった私は、深い罪悪感を覚えました。自身の出生地がどこで難民であるかどうかが、自身の企画したものに関して何らかのイメージを持つのではないかという不安があったために、特別公表をしていなかったのです。私の敵は、私自身でした。

 私は決意をしました。「悲劇的で孤独な国ミャンマー・ビルマ」という国が私の出生地であることを告白することで、そこに生きる彼らを救う何らかのきっかけとなるかもしれないという思いから公表を決意いたしました。その行動に対し、自己満足だという方もおられるかもしれません。しかし、私にとっては一つの闘争でありました。これは私の場合でなくてもいえることなのですが、コンプレックスに身を縮め、可能性を遮断し、自身の使命を見失っていたのです。

 近年のミャンマー・ビルマの変乱でもまた多くの新たな政治難民が発生する結果となりました。家族を離れ国外へ亡命するもの、その途中で息絶えるもの、とても悲しい現実がそこにあるのです。

 難民と共存することを恥だと思ってほしくはありません。共存することを先進国に生きる私たち自らの誇りにしていただきたいのです。難民問題は地球に生きる人類全体の問題です。地球市民全体の問題なのです。同じ人間がそこにいます。国内問題のみならず、国際社会の問題をも十分認知し、理解することが国際社会に生きる私たち先進国社会の人々に必要なエチケットなのです。

  そこに「ひと」がいます。それを救えるのは「ひと」のみぞできることなのです。




                     文責:渋 谷 ザニー (Shibuya Zarny)

プロフィール:1985年ビルマ(現ミャンマー)に生まれる。軍部の弾圧を逃れて先に日本に来ていた父のもとに、8歳の時に母と共に来日。難民として小中高と日本の学校へ通った。10歳で申請した難民申請は、16歳で認められた。雑誌やショーのモデルの仕事をしながら、亜細亜大学 国際関係学部でアメリカ外交を専攻し、アメリカへ 留学。現在は、フリーランサーのファッションデザイナーとして、 数社のアパレルブランドと契約し、東京、韓国、中国で活躍中。


        




 スリランカ移住労働者支援の現場から 

 

 

 2007年度に、スリランカから海外で就労するために移住した人々の数は20万人おり、そのうち9割が中東で働いています。これら中東就労者の多くは家政婦として働いていますが、カリタススリランカに寄せられる、拷問や人権侵害の報告の約8割が、こうした中東で家政婦として就労している人々からのものです。

 スリランカの紅茶プランテーションで日雇いとして働く人々の1日当たりの稼ぎは1ドル未満です。「もう少し稼いで生活を楽にしたい」と考える母親達に、エージェントは言葉巧みに中東での就労を持ちかけ、斡旋費用として家を担保に、多額の借金を背負わせます。中東に渡った彼女達はどのようになったのでしょう。ケースは様々ですが、ご本人から直接に聞いた話は、次のようなものでした。

 サウジに渡ったSさんは、最初の3ヶ月は問題無く就労していましたが、その後状況が突然変わりました。主人が彼女の身体を求めるに伴い、睡眠時間は1日1時間になりました。状況を察知した奥さんからベッドを取り上げられ、床で寝ました。食事も与えられなくなり、ゴミ箱をあさり、水も与えられなかったため、トイレの水を飲みました。そのうち、奥さんから、殴られたり、やけどを負わされるようになりました。ある日4階のベランダにあるゴミ箱をあさっていたら、蹴飛ばされ、地上に落ちて意識を失い、11日間入院後、家に戻されたそうです。家に戻った彼女を待っていたのは、借金と家族の冷たい態度でした。

 カリタススリランカはカリタスジャパンからの支援金を基に、トラウマを抱えて帰国した元移住労働者に対して、カウンセリングを実施したり、同じような人権侵害を受けた人々を集め、分かち合いを通してトラウマを克服する支援を行っています。さらに、今後同じような人権侵害が起きないように、中東で就労することを思いとどまらせるために、元移住労働者がセミナーで経験談を語る場を設け、国内で生計を立てるための手に職をつける支援を実施しています。

 こうした支援は既に5年間に渡って続けられています。海外就労者数の減少といった、数の 上での成果はまだ出ていません。しかしながら、トラウマを克服し、尊厳を回復した女性達による社会への働きかけは活発化しており、着実に彼女達の声は社会に浸透しつつあります。




文責:稲江 佐和子(カリタスジャパン 国際デスク プログラムオフィサー)




 船員司牧を始めて

 

 

 四日市教会では2年ほど前から部会制となり、国際交流部会ができました。部会の活動を模索しているとき、京都教区の国際協力委員会が船員司牧のテーマで行われ、以前から関心があったこともあり、もう1人の方と参加しました。その際、全国会議があることを教わり参加させていただいたところ、船を訪れることは思ったより手続きが簡単だとわかりました。

 この件を部会で報告したところ、数名の方が関心をもってくれましたので、昨年のクリスマスが近づいた頃、思い切って税関に相談にいってみました。税関の職員は親切に訪船の仕方、注意事項等を教えてくれ、すんなりと手続きができました。

  初めての訪船は、ほとんど英語ができない2人で行きました。入り口で乗船許可を貰うための説明をする際、言葉が通じないため少し待たされ、乗船できるのか不安になりましたが、船内では、片言の英語でも、船員たちが温かく接してくれました。

 現在までに訪れた船は4隻だけ、それも、しっかりした会社の2万トンを越すような船ばかりでしたので、どの船も船員の方は皆明るく、問題を抱えているという感じは受けませんでした。このような船の船員も、それなりに問題を持っていると思いますが、初対面の言葉も通じない人には、難しい話はしないのでしょう。

 もっと小さな船の乗務員達は、厳しい環境で働いており、助けを必要としていると思われますが、そういった船は、中国人、カンボジア人、インドネシア人などカトリック以外の船員がほとんどです。「教会としての活動なら、カトリック船員の乗っている船に行くべき」との声も聞かれます。一般のボランティア活動であったら、そのような考えは出てこないでしょう。教会の活動すべてに言えることかもしれませんが、教会から離れて、ボランティア活動をしたほうが、自由に活動できるようです。

 信仰と活動はどのようにつながっていくのが理想の姿なのか、簡単に答えは出ませんが、最近、「私たちは福祉活動をしているのではありません。私たちはひとりひとりの魂と出会うのです。」というマザーテレサの言葉を目にしました。

  また、船員司牧に関わっている一人に、誰とでもすぐに友達になれる人がいます。外国語が堪能という訳ではないのですが、外国語ミサにも進んで参加し、それも参加しなければというのではなく、人との出会いを心から楽しんでいるように見えます。貴重な休みを丸1日使って、初対面の船員の買い物に付き合うことが、喜びになっているようなのです。

 船を訪れる際に、ソーラス条約によるゲートの警備員の方とも出会うことになりますが、無愛想な対応をされることがあります。「悪いことをしている訳でもないのに」と、腹立たしく思うこともありますが、冷静に考えると、緑のない埠頭の炎天下で、たった1人で朝から夕方まで立っているのは大変なことです。

 日本国内の内航船についても、勤務環境が非常に厳しくなってきています。長崎県の船員も多いと聞いていますが、船員の方が教会を訪れたとは、ほとんど聞いたことがありません。このような方たちとも、交流を持てたらよいと思います。

  活動することによって、見えてくることがたくさんあります。時間的な制限もあってなかなか機会がないのですが、これからも、この活動を続けていきたいと思っています。


文責:小 林 勉(カトリック四日市教会)




 本年も難民移住移動者委員会の活動をご支援いただき、ありがとうございました

 日本版US-VISITが開始されてから丸一年が経ち、2009年の通常国会では、自治体が発行していた「外国人登録証明書」を廃止し、法務省が直接発行する「在留カード」を導入するという入管法改定案が出される見込みです。
  難民・移住者・移動者を取り囲む情勢は相変わらず厳しい状況ですが、日本で生活する多国籍の人々が、神様に愛され日本の人々に愛されていることを、現実の生活のなかで実感しつつ生きることが出来るように、小さなことからサポートを続けたいと思います。
  今年一年、皆様からいただきましたお祈りとご支援に心から感謝申し上げます。

 難民移住移動者委員会の活動は、皆様の献金によって支えられています。今後ともご理解とご協力をよろしくお願いいたします。皆様のうえに、幼子イエス様の豊かな祝福が注がれますように、どうぞ良いクリスマスと新年をお迎えくださいませ。

難民移住移動者委員会 事務局




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