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FAX NEWS

 

FAX NEWS No.60

               発行責任者:谷 大二 2009年5月13日(水)発行

入管法の改定案に反対するキリスト教会共同声明


 

 今週から、国会で「入管法・入管特例法」の改定案、外登法の廃止を含む「住民基本台帳」の改定案が審議されています。国民的議論も、少数者である移住者、永住者・定住者などの意見聴取もなく、国会での審議が進んでいます。これらの法案は外国籍住民の個人情報を一元管理し、さらに人権を侵害することになりかねません。そればかりか、さまざまな法人をもその管理下に置こうとするものです。今日13日、キリスト教関係者が衆議院第二議院会館で院内集会を開き、国会議院と改正案の問題を議論し、私たちの声明を発表しました。

                               (委員長 谷 大二)

 

◇多国籍・多民族社会

 いま日本には、190カ国・215万人以上の外国人住民が暮らしています。日本にあるキリスト教会においても、たくさんの外国人信徒を迎えています。しかし、彼ら彼女らは日本で生活する上で、住民として、労働者として、女性として、子どもとして当然認められるはずの権利が制限されたり、否認されています。

  私たちは、聖書のみ言葉に従って、一人ひとりの生命が神から賜ったものとして何よりも大切に考えていますので、日本人も外国人も一人ひとりの人権が保障されること、そのためには世界人権宣言に始まる国際人権諸条約と日本国憲法に基づく「外国人住民基本法」が必要である、と訴え続けてきました。

◇国連の勧告を無視した改定案

 政府は今年3月、入管法・入管特例法・住民基本台帳法の改定案を国会に提出し、4月24日から入管法・入管特例法の審議が衆議院法務委員会 で始まりました。

 私たちは、今国会に上程された上記3法案の内容に、強い危惧を抱いております。これらの法案 は、国際連合の自由権規約委員会からの勧告、人種差別撤廃委員会からの勧告、子どもの権利委員会からの勧告、女性差別撤廃委員会からの勧告など、国際人権機関からの度重なる是正勧告を踏まえたものになっていないからです。

◇宗教法人の届出義務

 とりわけ入管法改定案の第19条17においては、「宗教」など在留資格をもって在留する者(宣教師など)を受け入れている機関は、受け入れの開始と終了だけでなく「その他の受け入れの状況に関する事項」を届け出なければならない、と規定されています。このことは、キリスト教会として黙過できない、たいへん重要な問題です。

 近年、ブラジルやペルー、フィリピン・韓国などアジアから日本に来て暮らす外国人信徒が急増したため、私たち各教団・機関はそれらの国から宣教師やシスターたちを多く受け入れています。入管法改定案のこの規定に従うと、私たち各教団・機関は宣教師・シスターたちの宣教活動の内容までも届け出なければならないことになります。

 しかも、届出事項は「法務省令に定めるところ」となっていて、法文では明記されていません。つまり国会の審議を経ることなく法務省令で定めること、さらに、今後その届出事項を法務省が拡大することもできるようになっています。

  これは、国家が宗教団体の活動内容に直接介入する事態をも招き、憲法の政教分離原則にも抵触します。私たちキリスト教会は、戦前の宗教団体法による苦い体験を持っています。単なる届け出義務が、省令によってどう変えられていったかは、遠い歴史の話ではありません。

◇宣教活動の制限

 のみならず、入管法改定案第23条によれば、宣教師やシスターなど外国人住民に、在留カードの常時携帯と提示義務を課し、これに違反すれば第71条により罰金刑に処すとしています。

  宣教師やシスターたちの日本国内での宣教活動は、全国に点在する外国人信徒の信仰共同体を支え、外国人コミュニティの生活支援・教育支援など、一カ所に留まるわけではありません。にもかかわらず、住居地の14日以内の変更届出の煩雑さに加え、90日以内に新住居地の変更届出を出さなかった場合は在留資格そのものが取り消されることになり、宣教師やシスターたちの宣教活動の自由が奪われることが懸念されます。

◇外国人住民基本法の制定を

 

  したがって私たちは、入管法の改定案に反対せざるをえません。私たちは、国会に対して、また日本社会に対して訴えます。

  入管法・入管特例法・住民基本台帳法の改定案の審議にあたっては、改定案の直接の当事者となる外国人住民の声を聞いてください。そして、日本で暮らしさまざまな分野で活動する外国人住民の立場に立った立法をしてください。日本が外国人住民にどう対応していくかを、世界は注視しています。人間の大規模な移動が日常的になっているこのグローバルな時代に、日本として豊かな人権感覚を世界に示していただきたい、と切に願います。

2009年5月13日

  日本カトリック司教協議会・社会司教委員会委員長  高見三明

  日本キリスト教協議会議長  輿石 勇

  日本基督教団総会議長   山北宣久

  在日大韓基督教会総会長  鄭 然 元

  日本聖公会首座主教  植松 誠

  日本キリスト教会大会議長  八田牧人

  日本バプテスト連盟理事長  田口昭典

  日本バプテスト同盟理事長  小野慈美

  日本キリスト教婦人矯風会会長  佐竹順子

  日本YWCA会長  石井摩耶子

  日本福音ルーテル教会社会委員長 松木 傑

  外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会   

   共同代表:飯島 信(日本キリスト教協議会総幹事/        

        谷 大二(日本カトリック司教協議会 難民移住移動者委員会委員長)/

        内藤留幸(日本基督教団総幹事)/        

        朴 寿 吉(在日大韓基督教会総幹事)/        

        佐竹順子(日本キリスト教婦人矯風会会長)/        

        李 清 一(外登法問題ととりくむ関西 キリスト教連絡協議会)   

   事務局長:秋葉正二(日本基督教団牧師)

 

 

 

 

 

Fax News60PDF版


新刊紹介
『移住者と共に生きる教会』
   谷 大二司教 ほか・共著 
     
                    (女子パウロ会) 


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