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FAX NEWS

 

FAX NEWS  クリスマス特集号 瓦版第四号

                発行責任者:谷 大二 2009年12月4日(金)発行


主イエス・キリストのご降誕をお祝い申し上げます



クリスマスおめでとうございます。

難民移住移動者委員会
委員長 谷 大二

     

 昨年来のアメリカ発の金融危機による世界的な経済不況。

そのなかで皆さんが、職を失ったり、困難に直面している人、特に移住者とともに国籍や言葉を超えて、兄弟姉妹として助け合ってくださっていることを見て、私はうれしく思っています。

 

 ただ、いわゆる「派遣切り」の原因が経済不況だと考えるのは間違いです。派遣切りの原因は、2003年に改定された派遣労働法「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」と企業の労働者軽視という二点なのです。企業にとって、「100年に一度の経済不況」は派遣切りの都合の良い言い訳に過ぎないのです。このことを見逃してはならないでしょう。私たちも派遣労働法の改正と 労働者の権利回復のために声をあげていきたいと思います。

 

 一方、経済不況と派遣切りなどによって海外からの移住労働者のうち母国に帰られた人も多いようです。しかし、大多数の移住労働者は日本に残り、頑張っておられます。乱暴な言い方ですが、「出稼ぎ」が経済不況と派遣切りという篩(ふるい)にかけられたといえるでしょう。つまり、日本に残った人たちは、家庭や仕事の事情などから、日本に定住する道を選択したと いえます。

 

 日本に定住するということになれば、移住労働者たちも生き方を変えていく必要もあるでしょう。日本語の問題、子どもたちの教育、仲間作りなどで派遣会社に頼り切る今までの生活から、地域社会のなかで生きるという方向付けが必要となります。また、地域社会や教会も、これまで以上に彼ら彼女らを兄弟姉妹として受け入れ、支えていくことが必要です。地域社会や教会で多文化共生をさらに進める努力が双方に求められているのです。

 

 さて、クリスマスといえば、クリスマスツリーと馬小屋の飾りが思い浮かびます。多くの教会では、馬小屋も南米、フィリピン、ベトナムといったさまざまな国の特徴的な飾りが見られるようになってきました。クリスマスの飾りも多文化共生のシンボルです。多文化共生の雰囲気のなかで、クリスマスのミサを多国籍の人々が共にささげる。これが難民、移住者、移動者として生きたイエス・キリストの誕生をふさわしく迎えることになるでしょう。

 

 

 



 夢に向かって・・・ 〜メッセージを伝えるアーティストに〜

 

  日本人の父、フィリピン人の母を持つ高校二年生の前田 絢子(まえだ あやこ)さんに、谷 大二司教様がインタビューしてくださいました。絢子さんの夢とは・・・?



谷 大二司教(以下「T」):絢子さんは、歌を勉強しているんだよね?

 

前田絢子さん(以下「A」):レッスンに通っています。学校の勉強もあるので、月に3回くらいです。高校では、英語クラブに入っていて、スピーチコンテストで3位に入賞しました。

 

T:じゃあ、将来は英語の歌手になりたいのかな?

 

A:英語というわけではないけれど、私はダブルの子なので、それを活かせれば…と思います。

 

T:自分が「ダブル」だということを意識することがよくあるの?

 

A:意識ですか?

 

T:そのことで、学校でいじめられるとか。

 

A:そういうことは無かったです。中学校までは、学校でダブルの子は、私一人でしたが、高校では結構いて、「ダブル」ということがきっかけで仲良くなった子もいます。日本人の子とちょっと違うかなと思うところは、私は自分の意見をはっきり言うし、日本人はいつもグループで固まっていると思います。

 

T:フィリピンには行ったことがあるの?

 

A:はい。私が4歳頃までは、フィリピンと日本を行ったり来たりしていたので、タガログ語も話せました。今は忘れてしまったけれど。父は、バンドのヴォーカルで日本に公演に来ていた母を好きになって、結婚して欲しかったので、タガログ語を覚えたそうです。

 

T:今でもフィリピンに行くことはあるの?

 

A:はい。フィリピンに行くと、時間の流れがゆっくりしていて、余計なことは考えなくてもいいという感じがします。日本ほど豊かではないかもしれないけれど、皆がにこにこして目が輝いている。お金だけではない、本当に大切なものを持っているようで、フィリピンにしかないものを感じます。  

 

T:絢子さんは、どんな歌を歌うのかな?

 

A:バラード調のゆったりした曲が得意です。ライブで歌ったこともあります。学園祭でも講堂のステージで歌いました。ちょっと緊張するけれど、皆が聞いてくれるのが嬉しいです。家族も友達も応援してくれるので、私は恵まれていると思います。

 

T:将来、どんな歌手になりたいの?

 

A:自分の感じていることや考えていることとか、メッセージを伝えられるアーティストになりたいです。

 

T:そのためには、自分の持っている世界が 広くないといけないね。

 

A:そうですね。自分自身の中身がきちんと していなければ、いくら音楽性が高くてもダメ だと思います。そのためにも、もっと自分を 磨いていきたいと考えています。

 

T:歌の世界は、競争も激しくて大変かも しれないけれど、絢子さんらしさを忘れないで、 自分の夢に向かって頑張ってください。

 

A:はい、ありがとうございます。



 

        




 見えなくされる人身取引 

 

 

 「逮捕されたかった」と涙したタイ人女性・・・。人身取引の被害者とは認められず超過滞在者として起訴され、裁判にかけられて強制送還!これは20年前の話ではなく、今年7月のことです。「群馬県のスナックで借金を背負わされ売春を繰り返した。タイに帰るために早く逮捕されたいと思っていた」と話し、『有罪』の判決を受けたのです。逃げたくても様々な要因が絡み合って逃げることができず、ひたすら「いのち」を全うするために警察に捕まることを願っていた女性の現状は、20数年前と変わっていないことに愕然としました。人身取引の被害者と認定されれば在留特別許可が付与されると「入管法」が「改正」されたのですが、平成20年度に人身取引被害者と認定されたのはわずか28人。あまりにも少ない数です。被害者と認定される代わりに入管法違反として罪に問われる女性がどのくらいいるのでしょうか?

 

 人身取引の被害者に自分が被害者であるとわからせないよう巧妙な管理の方法がとられ、また逃げることが 不可能な、通報が出来ないような巧みな体制下に置かれていることが、被害をますます見えなくしていると 入国管理局は言っています。そうであれば、より被害者の立場に身をおいて人身取引被害者としての認定を きめ細かく行って欲しいものです。

 

 「人身取引」という言葉は冒頭に述べたように性産業で稼働させることを思い浮かべますが、もっと広い意味が あります。人の尊厳が損なわれ、強制的に働かせられること、また、不当な低賃金で働かされることも含まれます。 研修生として政府の制度に基づいて来日し、強制的に低賃金で長時間労働を強いられる人も人身取引の犠牲者なのです。 経済が低迷する今、被害の現状は、より見えなくされています。

 

 日本での人身取引の現状を調査した国連の担当官は、政府当局者、NGOなどとの面会も行い、被害が深刻化し、『日本は人身取引の多くの被害者が辿り着く国だ』と述べて懸念を示しました。

 

  多くの被害者が辿り着く国、日本での被害の現状が水面下深くに沈み込んでいくシステムを変えるためには私たち一人一人の意識の変革が問われているようです。見えなくされているものがあることに気づき、隠されているものを見ようとする意志と勇気が必要とされています。一つ地球に生きる同じ人間として一人一人が大切にされるために。          




文責:野上 幸惠(聖心侍女修道会)




 船員司牧「夏の名古屋港の日記」 

 

 

 名古屋港での8月1日(土)、2日(日)の訪船は緊張の連続でした。

 

  名古屋港の金城埠頭には、3隻の車運搬船が停泊しており、出航はいずれも月曜日でしたので、訪船してみました。丁度土曜日の午後で荷役作業は休み、広い埠頭の中で、動いているのは私の車1台以外しかなく、不安と緊張で一杯でした。

 

  でも勇気をもって最初の船に近づいて、船の下から、監視しているフィリピン人の乗組員に声をかけ、AOSの自己紹介をしているうちに、日曜日の午後1時に上陸する話がまとまり、迎えに行く約束をしました。次の船には、挨拶程度にしようと近づいたところ、「我々も上陸したいので後で連絡する」との話になり、「これは困ったな」と思い、3隻目には、声をかけるだけで帰宅しました。2隻の船の船員が同時に降りて来ては、車の手配や運転手、その他の準備がいるので、電話が無いことを願っていました。案の定、電話は無く、「助かった」と思い、最初の船のことだけを準備すればよいと思い、日曜日の港教会のミサと説教の後、最初の船まで迎えにいきました。ピックアップは午後1時だったからです。

 

 最初に驚いたのは、船から降りて来た乗組員が全部で12人であったことでした。「私の車は、7人しか乗れない」と言ってあったのですが、「大丈夫。乗れるから」と言って、全員が乗り込んでしまいました。この時、私の頭の中を横切ったのは、「もし警察にでも見つかれば大変だ」ということでしたが、船員たちは、「殆ど名古屋では上陸したことがないのでよろしく」と嬉しそうでした。それを聞いて「仕方がない」と思い、祈る思いで、まず港湾のゲートに向かいました。

 

 ゲートでは、係員が上陸者の数が多いのに驚いたようでした。しかし問題なく外へ出ることができました。それから税関で、「よくもまぁ皆乗れましたね」と言われました。その後、彼らをまず近くのショピングセンターに連れて行って、5時のピックアップの約束で、車から降ろして別れたのですが、その間、私は自分の身辺のことをするために教会に戻り、5時になるのを待っていました。3時半過ぎに電話があり、「買物が終わったので、迎えに来て欲しい」とのことでした。行ってみると、12名いた船員のうち、2名がいないことがわかり、それから皆で手分けして探しましたが、見当たらず、最後はとうとう諦めて、次の目的地の教会に連れて行きました。

 

 「税関ではどうなるだろうか」と心配と緊張が走りました。もし問題となれば、皆が足止めをくい、船に戻れないのではないか、また今後の活動にも響くであろう等が頭の中を交差しました。

 

 教会に着くと、船員たちは、よく祈っていました。家族や航海の安全を祈っているのでしょう。祈る姿を見ると、この奉仕が無駄ではないことがこの時よく判りました。私たちの仕事は、やはりイエス様に出会う為に奉仕することなのです。

 

 税関では、2名いないことに関して、困ったような顔をされましたが、意外にも厳しくなく、通してくれました。税関から港湾のゲートまで運転する約10分間、何故かやたらに警察の車があちこちいて、運転しながら「止められたら終わりだな」と思いながら、何とかゲートまで無事に着くことができました。そこで保安員から、先に2人が戻っていることを聞かされ、安堵の思いをしました。彼らは、先に買物を済ませ、電車で港まで帰ったとのことでした。

 

 私は、やっと船員司牧の仕事が終わったと思い、教会に戻りました。食堂に入った途端、部屋がやけに温かくなっていることに気づきました。その時、はっとしたのは、電話で呼び出された時、お茶を飲むためにガスをつけたまま、船員たちを迎えに行ったことでした。外出している約1時間半の間、いつ火事やガス爆発があってもおかしくない状態でした。幸いにも換気扇がついていたので、火災をおこさずに済んだわけですが、今思えば、間一髪の危険な状態であったことは確かでした。しかし何も起こらなかったことに神に感謝しているところです。

 

 今まで10年近く、AOSの仕事をしていますが、この日ほど緊張と不安の連続はありませんでした。仕事を始める前に、必ず神の保護を求めて祈ることも大事です。


 


文責:山口 正美 神父(カトリック港教会)




本年も難民移住移動者委員会の活動をご支援いただき、ありがとうございました。

 2009年7月8日、自治体が発行していた「外国人登録証明書」を廃止し、法務省が直接発行する「在留カード」を導入する改定出入国管理・難民認定法(入管法)と改定住民基本台帳法(住基法) が成立しました。


  難民・移住者・移動者を取り囲む情勢は相変わらず厳しい状況ですが、日本で生活する多国籍の人々が、神様に愛され日本の人々に愛されていることを、現実の生活のなかで実感しつつ、生きることが出来るように、小さなことからサポートを続けたいと思います。


  今年一年、皆様からいただきましたお祈りとご支援に心から感謝申し上げます。

 難民移住移動者委員会の活動は、皆様の献金によって支えられています。今後ともご理解とご協力をよろしくお願いいたします。皆様のうえに、幼子イエス様の豊かな祝福が注がれますように、どうぞよいクリスマスと新しい年をお迎えくださいませ。


難民移住移動者委員会 事務局




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