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世界難民移住移動者の日


2004年度 委員会メッセージ


「もう一つの世界は可能だ」

 日本の教会は難民、移住者、移動者と「共に生きる」ことを決意し9月の第4日曜日を「世界難民移住移動者の日」と定め、共に祈り、献金をささげるように呼びかけています。毎年ささげてくださる皆様の祈りと献金に心から感謝いたします。

さて、今年の「世界難民移住移動者の日」のテーマを「もう1つの世界は可能だ」としました[1]。今の日本の難民・移住者・移動者をとりまく現状は厳しく、その一例を紹介し、「もう一つの世界」、すなわち、私たちの目指す世界をこのメッセージで明らかにしておきたいと思います。


■「管理・排除の世界」

今年5月、米軍がイラクのアブグレイブ刑務所において拷問、虐待を行ったことが大きな問題として報じられました。しかし、こうした人権侵害は米軍下で行われているだけではありません。日本国内でも、日本政府の下で行われているという事実を私たちは知らなければならないでしょう。

茨城県牛久にある東日本入国管理センターで警備官の暴行により頚椎損傷の被害を受けたパキスタン人Aさんが6月のある日突然、強制退去で母国に送還されるという事件が起きました。それは、彼が被害を訴え、真実を明らかにするために裁判を起こそうとしていた矢先でした。裁判を受ける自由さえ、加害者である入国管理局によって奪われたのです。しかも、日本人の妻と娘を日本に残したままの強制送還です。この事件は二重、三重の意味での人権侵害であり、アブグレイグ以上と言わざるを得ません。


 入国管理局はインターネットを利用した外国人排斥の通報システムを作っています。東京では都知事が中心となった排外主義の扇動にあおられ、行政・司直一体となった山狩りさながらの超過滞在外国人摘発が教会の境内や出入り口で平然と行われています。外国人犯罪の増加という扇動的なマスコミ報道はこの排外主義を助長しています。日本は排外主義と人権侵害がまかり通る世界になってしまったのです。


■「もう一つの世界」

 日本は様々な文化を持つ人々が隣り合わせで生活している多文化共生の社会です[2]。それぞれ人々が異なる言葉、宗教などの文化とアイデンティティを持っています。教会はその最先端を歩んでいます。同じキリストの食卓を囲むことが私たちの共同体を豊かなものにしています。

 教皇は今年の「難民移住移動者の日」のメッセージで、「移民世界は平和確保のために大きな役割を果たすことができます。 ・ ・ ・文化間の対話を深めることは、『和解した世界を築くために、必要な道なのです』」と述べています。

私たちの目指す「もう一つの世界」とは、暴力、管理、排除、人権侵害、民族主義がまかり通る社会ではなく、「子供の人権が尊重される社会」、「多文化を楽しむことのできる社会」、「管理と差別のない社会」です。家庭や教会が共に喜び祝う、キリストの食卓を囲む共同体となり、言葉や宗教の壁を乗り越え、すべての難民・移住・移動者との対話を深めていくことが「管理・排除の世界」を「もう一つの世界」へと変容させていくのです。


2004年9月26日

日本カトリック難民移住移動者委員会 

委員長 谷 大二(さいたま教区司教)



[1] このテーマは市場主義優先の経済グローバリズムに反対し、公正な世界秩序を作ろうという趣旨で、昨年インドで開催されたフォーラムで使われたものです。

[2] 法務省入国管理局2002年度末資料によると、外国人登録者は韓国・朝鮮人63万,中国人42万、ブラジル人27万、フィリピン人17万、ペルー人5万など、日本総人口の1.7%を占めています。今後も増加すると予想されています。




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