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世界難民移住移動者の日


2006年度 委員会メッセージ


「子供たちを来させなさい。私のところにくるのを妨げてはならない。
       天の国はこのような者たちのものである」


 2005年度の統計では、結婚総数の約5%、20組に1組が国際結婚です。これから単純に計算すると20人にひとりはダブルの子どもになります。もちろん、難民や海外からの移住者の家族にも子どもたちもいます。それを合わせると小学校40人クラスで2、3人は海外にルーツを持つ子どもたちがいることになります。私たちは国際結婚したカップルが幸せな結婚生活を送ることを願っていますが、それと共に子どもたちの幸せを願ってやみません。
  しかし、日本の社会や教会は子どもたちの幸せを十分考えているでしょうか。大人たちは子どもの視点に立っているでしょうか。二つの事例を挙げて考えてみたいと思います。

 いま、国会で教育基本法改正案が審議されようとしています。この改正案のなかで「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」と書かれています。これを教育現場で具体化するなら、移住者・難民の子ども、ダブルの子供に同化を強いることになります。教育の目的にかかげられている「人格の形成」や、子どもたちのアイデンティティの形成にも影を落とすことになります。この改正案の考え方の中には、海外からの移住者・難民の子ども、国際結婚によるダブルの子どもの存在が無視されています。

 今年3月29日に未婚のフィリピン人女性から生まれた後、父親の日本人男性から認知されたにもかかわらず、日本国籍が認められない子どもたちの国籍確認を求めた裁判で、東京地裁は「父母の婚姻関係を国籍取得の要件とした国籍法の規定は違憲」とした判決をだしました。子どもには何の落ち度もないのに、父親がどの段階で認知するかによって国籍が取得できるかどうかが左右されるのは、日本国憲法、国際人権規約、子どもの権利に関する条約に明らかに違反しています。このことは国連の権利委員会の最終見解(2004年)でも指摘されているところです。その意味でこの判決は良識をもったものと言えます。しかし、国は控訴しました。こうした裁判に訴える子どもたちは氷山の一角です。多くの子どもたちが、国籍法によって、差別を受け、苦しんでいます。また、インドシナ難民二世や在日コリアンの中にも、また、さまざまな状況によって「無国籍」となっている子どもたちもいるのです。

  イエスは「子どもたちを来させなさい。私のところにくるのを妨げてはならない。天の国はこのような者たちのものである」(マタイ19:13-15)と言われました。イエスは私たち大人が子どもの視点に立って考え、子どもが発言したり行動したりすることを保障すべきだと教えています。

 難民移住移動者の日にあたって、神様から与えられた子どもたちの命の尊厳、基本的人権を守る教会となるように、共に祈りたいと思います。

2006年9月
日本カトリック難民移住移動者委員会 委員長
谷 大二(さいたま教区司教)




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