主の御降誕おめでとうございます。

今年の10月、コロナが発生する前に企画されていた「ルルドとカタルーニャ巡礼」を実施することが出来ました。私にとって初めての場所への巡礼で、とても新鮮な体験に恵まれました。ルルドでは多くの体の不自由な方々と、お世話をするボランティア方々の信仰の姿を見て感動しました。何よりもここは祈りの場であるという雰囲気に私も包まれました。

ルルドを離れてピレネー山脈のロマネスコ風の教会を訪問し、参加者と一緒に2日間、ミサを捧げました。私の心に強く印象に残っているのは、教会の石壁の空間で響き渡った、巡礼者たちの声です。トルコ軍がカタルーニャを侵攻したとき、人々は信仰を守るために山に逃れ、ミサ、村の祈りの場としてこのような教会を建てた理由が伝わってきました。

今回の巡礼にあたって私の一つの個人的な興味は、どのようなクリスマスのフレスコが残っているか、それを探しながらスマホで写真を撮影する準備をして巡りました。思ったより早く、ボイ渓谷の初期ロマネスク教会でお目にかかりました。その写真を皆さんにも紹介します。クリスマスは主の御降誕が中心ながら、前後の出来事が劇場のステージ上で表されています。主に6つの場面が「私たちのクリスマス」です。神のお告げ、ベトレヘムへのヨセフとマリアの旅、イエスの御降誕、喜びを待った羊飼いたちがイエスの誕生を祝う場面、3人の博士(王)たちのイエスへの礼拝、そして、エジプトへ流れる聖家族。

どうか皆さんも現在の人類の状況から逃げないで、向き合い、力を合わせる道を探し求め、主がどのように私たちの間におられるか、また近寄ってこられるかを考えながら、過ごした一年間を神様に感謝し、新しい年を迎えましょう。

日本カトリック難民移住移動者委員会 委員長  山野内 倫昭

写真:ボイ渓谷の初期ロマネスク教会の祭壇前面Frontal d’altar de Cardet(13世紀後半)
撮影:山野内倫昭 2023年10月

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