日本カトリック難民移住移動者委員会(J-CaRM)は福音に基づいて、多民族・多文化・多国籍共生の社会をめざしています。

人身取引問題に取り組む部会(タリタクム日本)

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タリタクム(Talitha Kum)は女子修道会国際総長連盟(UISG)のプログラムのひとつで、人身取引の撲滅に取り組む奉献生活者の国際ネットワークです。日本では、日本女子修道会総長管区長会、日本カトリック管区長協議会との連携により、日本カトリック難民移住移動者委員会内に人身取引問題に取り組む部会」としてタリタクム日本が、2017年6月に発足しました。

日本での人身取引の問題は、1980年代後半からのアジアの女性への管理売春などの性的搾取に代表される人身取引により表面化しました。近年では、技能実習生などの外国人労働者への労働搾取の問題も深刻になっています。

日本政府は2004年に人身取引対策行動計画を策定し、人身取引対策に取り組んでいるものの、毎年、認定される被害者の数は二桁代にとどまっています。被害者として、国による保護や救済の対象になる人々は氷山の一角にすぎません。多くの被害者が借金等から逃れられずに、人身取引の搾取と被害を耐え忍んでいるのが現状です。

「タリタクム日本」は、設立趣旨に掲げた「ビジョン」、「ミッション」、「目的」、「行動計画」にもとづき、以下のような活動を行っています。

フェイスブックのこちらのアカウントもご覧ください。

https://www.facebook.com/profile.php?id=61560054654126

1. 人身取引に関するセミナーの実施

人身取引問題について学び、被害の実態を知り支援について考えるセミナーを年に2回、近年では主にオンラインで開催しています。
セミナーや祈りの集いへのご案内は、お知らせページ に掲載されますのでご覧ください。

<セミナーおよび講演会>
タリタクム準備会セミナー「司祭宣教師修道者のための研修会」2016年7月 (東京 潮見)
設立記念講演会:「わたしと人身取引被害者支援」松浦悟郎司教 2017年6月 (東京  四ッ谷)
タリタクムセミナー:「日本における人身取引の現状と支援」2018年2月 (名古屋)
タリタクムセミナー:「技能実習生の現状と支援」2018年11月(郡山)
タリタクムセミナー:「Thalitha Kum English Speaking Group Workshop」2019年5月(東京 四ツ谷)
タリタクムセミナー:「人身取引と日本の教会の取り組み〜ベトナム人技能実習生の実態と支援」2020年10月(札幌)
オンラインセミナー:「人身取引と新型コロナの影響~世界・日本の状況とこれからの教会~」2020年9月
タリタクムアジアウェビナー(タリタクム日本企画):「移住労働者と搾取」2021年4月
オンラインセミナー:「1年後:人身取引に対するCOVID-19の影響」 2021年9月
オンラインセミナー:「技能実習制度の課題と新たな外国人労働者受け入れ制度を考える〜制度見直しの動きとカトリック教会の取り組みから」2022年5月
オンラインセミナー:「外国人技能実習生への支援と制度の廃止に向けて連携を」2022年10月
オンラインセミナー:「日本人とフィリピン人の親をもつ子ども(JFC)とその母親への人身取引」2023年5月
オンラインセミナー:「難民を歓迎できる社会に~アルぺなんみんセンターの取り組みから」2023年11月
オンラインセミナー:「いわゆる『夜職』に従事する女性たちの支援を続けて~可視化されにくい性的搾取の実態と支援」2024年6月

オンラインセミナー:「子どもと若年女性への性的搾取と人身取引~搾取のない社会に向けて」2024年11月9日予定

 

2. タリタクム日本 Newsletterの発行

タリタクム日本の活動や、人身取引をめぐる現状などを掲載したニュースレターを年2回発行し、全国の小教区、修道会に送付するほか、関連のセミナー、集会、イベントなどで配布しています。
最新号は以下の表紙をクリックすると全体を見ることができます。これまでのバックナンバーのPDFは、こちらからご覧いただけます。

3. 人身取引被害者の支援対応とネットワーク強化

人身取引被害者支援対応を強化するため、全国の修道会を対象とした「緊急一時受け入れに関するアンケート調査」を実施しました。その結果をふまえて、避難を必要とする被害者へのシェルター提供などの調整を行っています。

4. 人身取引に反対する国際デー

聖バキータ・ジョゼッピーナの祝日であり「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」でもある2月8日と、国連が定めた「人身取引反対世界デー」である7月30日に、祈りの集いをオンラインで開催しています。また、ポスターや祈りのカードも作成して配布し、人身取引被害者のための祈りや救済のための行動に参加するよう呼びかけています。

5. タリタクム・アジアとタリタクム・インターナショナル

タリタクム・アジアは、インド、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、ミャンマー、ベトナム、韓国、日本に支部をもち、それぞれの国のコーディネーターが毎月、オンラインでミーティングを開いています。タリタクム・アジアのコーディネーターは、シャルトルの聖パウロ修道会のタイ管区に属するシスター・パウラです。各国のタリタクムの活動については、フェイスブックのTalitha Kum Asia をご覧ください。
タリタクム・インターナショナルは、ローマに拠点を置く、世界各国のタリタクムを結ぶネットワークです。タリタクム・インターナショナルの活動については、こちらのサイトをご覧ください。
タリタクム日本は、タリタクム・アジアとタリタクム・インターナショナルのメンバーとして、各国のタリタクムと協力しながら、人身取引問題に取り組んでいます。

6. タリタクム日本ユース・アンバサダーの活躍

タリタクム日本ユース・アンバサダーは、タリタクム・アジアの育成プログラムのもとで学んだ若者たちです。彼らは、アジア各国や日本の人身取引の現状を、一人でも多くの人に伝えたいと切望しています。彼らの活動については、こちらをご覧ください。

7. タリタクムによる出前授業

人身取引はグローバルな問題ですが、私たち一人ひとりの意識と行動がなければ、根絶することはできません。この出前授業は、日本の若者に、人身取引は他人事でははなく、自分事としてとらえてもらうことを目的としています。
タリタクムの若者による人身取引コースと、タリタクムの専門家による移民難民コースに分かれていますので、ご要望に合わせてこちらのサイトからお申込みください。

8. 脱プラスチックのオリジナルグッツ

紙ファイルの表紙には、人身取引被害者の守護聖人である聖バキータのイラストと、タリタクム日本のロゴを入れました。裏面は白紙です。
ボールペンは、石灰石から生まれた素材(LIMEX)を用いています。インクの色は黒です。

紙ファイルは2枚で50円、ボールペンは一本100円以上の寄付にて、頒布いたします。ご希望の方は、こちらにご連絡ください。

タリタクム日本設立趣意

タリタクム日本は、日本女子修道会総長管区長会および管区長協議会と、日本カトリック司教協議会難民移住移動者委員会(J-CaRM)が連携し、人身取引(人身売買)の根絶に取り組むために設立したネットワークです。

タリタクム日本設立のきっかけは、2015年12月にベトナムのダナンで開かれたタリタクム東南アジアの会議に、日本から奉献生活者とJ-CaRMの代表が参加したことです。会議の目的の一つは、日本で起きている人身取引や強制労働、その他の現在の奴隷制度に対して取り組むための奉献生活者のエンパワメントという課題に応えることでした。これが、タリタクム日本立ち上げへの動きにつながりました。

タリタクムは、修道会総長会議と連携した国際総長会議(UISG)のプログラムの一つで、人身取引に反対する奉献生活者の国際ネットワークです。

ビジョン

タリタクム日本は、人身取引、現代の奴隷制度、強制労働の撲滅をめざします。

ミッション

私たちの使命は、教会内外を問わず多くの人々と連携、協力を得て、日本での人身取引を撲滅し、虐げられた人々が、(日常の生活の中で)正義に基づく尊厳を取り戻すことにあります。

目的

1. 日本女子修道会総長管区長会、管区長協議会と難民移住移動者委員会との連携を強化し、とくに日本の移住者・難民の人身取引問題を優先課題とする。
2. 人身取引の問題に対応するため、奉献生活者および信徒をエンパワメントし、組織化し、結集させる。
3. 各修道会や各教区が教育・啓発プログラムを発展させ、また人身取引の問題に対応するサービスを拡大するよう奨励する。
4. 福音の精神に基づき、人間の価値、尊厳、使命を再認識し、それらを維持する必要性について、一般の人々の認識を高める。
5. タリタクム東南アジア/東アジアやあらゆるカトリック教会の組織間の連携を強化し、政府や NGO/NPOとの連帯と協働を構築する。

行動計画

1. 人身取引に関するセミナー/ワークショップを企画実施する。
2. 社会全体やメディアへの啓発を促進する。
3. 人身取引の防止と被害者(ジャパニーズフィリピノチルドレンや技能実習生)保護のため、制度改善をめざして訴える。
4. 被害者支援のための情報提供システムを発展させる。
5. 移住者への教育とエンパワメントプログラムを日本および送り出し国において発展させる。

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